28、警察学校生の感想 その2

市島保男少尉
市島保男少尉

【警察学校生の感想】

愛国心や国に対する誇りが、警察官の職責への自覚を促し、職務への誇りとなる 

 スポーツを応援する人達から感じられる愛国心や国を誇る気持ちについても、今回の講話で聞いた人達のものとは異質であると思います。

 例えば、市島保男さんの日記の一文にある、「精神も肉体も父母から受けた侭で美しく生き抜けたのは、神の大いなる愛と私を囲んでいた人々の美しい愛情の御陰であった。」という言葉に表されているように、彼らの持つ愛国心や誇りは、家族を始め自らの周りの人達に対する深い愛情や感謝の感情に根ざしたものだと思います。現代社会では、こうした感情が薄れているために愛国心や国に対する誇りが希薄化していると言われます。私達は親や家族はもちろん、友人や同僚、さらにはもっと小さな関わりしかない人達からも助けられ生きています。社会全体、つまり国との繋がりの尊さをもっと自覚すべきだと思います。そうすれば、近年増加する凶悪犯罪や利己主義的な考え方は減ってゆくのではないでしょうか。愛国心や国を誇る気持ちは大切だと考えます。 

 また、私達警察官にとって、愛国心や国に対する誇りは、国民の生命や身体を守る職務の上で特別に必要だと思いました。国を愛すること、つまり人に対する愛情や感謝の気持ちを大切にすることで職責への自覚を確かなものとして、職務に対する誇りを持つことが出来るのだと思います。

【警察学校生の感想】 

 出撃直前に一ヶ月分の給料を笑顔で見ず知らずの人に手渡すことが出来た 

 市島さんの日記、そして笑顔の写真に感銘を受けました。たった7行の中に、祖国や両親や周りの人々への深い愛情と感謝の気持ちが込められていました。国や家族を愛し感謝し、それらのために自分の生命を捧げることに誇りと喜びを感じることが出来た市島保男さんは、大和魂をもった素晴らしい人だと思いました。時代が違うとか、学力が違うとかのレベルではないくらい、今の私とは考え方生き方に雲泥の差があります。

 日記の中に、「私は自己の人生は人間が歩み得る最も美しい道の一つを歩んできたと信じている」と、ありました。これは、本当に精進を続けてきたからこそ言えるのだと思いました。自分に自信を持ち、そんな自分を育てた両親や周りの人々に感謝しているからこそ、そのすべてが彼のプライドになり、死を恐れず向かっていく強い精神を作ったのだと思いました。人に感謝しているからこそ、人に優しくすることが出来、出撃直前に一ヶ月分の給料を笑顔で見ず知らずの人に手渡すことが出来たと思います。 

 戦没者の方々の想いや未来へ託した望みを知らないで、今をただ自分のために過ごしている自分を情けなく思いました。大和魂とは、先祖に感謝し礼を尽くすことで、彼らが命懸けで守った日本、そして大和魂を私も使命感とプライドをもって守りたい。