81、「戦時青年、ただに讃へむ」発刊

拝啓 盛夏の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

この度、拙著「戦時青年、ただに讃へむ」を、展転社より発行致しました。現在、アマゾンや楽天でも予約受付しており、8月初旬には書店でもお求め戴けます。先ずは、本書出版の趣旨を次に記し、お知らせまで申し上げます。

                             私は、

平成27年までの14年間、宮城県警察学校にて倫理講師を務めました。その間、1年に2回づつ、学生に対し戦没者の記録を語り、受講生全員からの感想文を得て、その数は約1500名分になりました。また、17年からは東北管区警察学校において幹部警察官候補者への講話を年3回。26年5月には、宮城県警本部にて県警幹部17名に戦没者を語る機会を得ました。

こうして、手元に残っていった感想文は、大きな気づきを私に与えてくれました。

『自分の親を思う気持ち、家族を思う気持ちのような人への思いやり、自分の国に誇りを持ち愛する精神、そして一生懸命生きようとする「生」のエネルギー。どれも、今の日本人が忘れかけているものだ。』

 これは、特攻隊員の日記を読んだ警察学校生の感想の一部です。

厳しく苦しい警察学校の生活から逃げ出しそうになった時、「自らの死を意識しながらの訓練にあった特攻隊員」の日記を読み、警察学校生は『一生懸命生きようとする「生」のエネルギー』を感じ取っていたのです。 こういった感動を、より多くの青年たちにも得てもらいたい。人生に迷ったり心が弱くなっている人たちを励ますエネルギーが、戦没者の記録にはある。だからこそ、より多くの方に戦没者の心に触れて心を振り震わせてほしいと改めて思ったのです。そんな願いを込めて、ネット上でブログ「kokorohurihure」を立ち上げ、昨年夏から発信開始致しました。

本書は、その内容に加筆修正の上で、編集したものです。

ご一読の上、講話や教育資料の一端に加えて頂ければ、これに勝る喜びはございません。何卒よろしくお願いいたします。

例年にも増して暑さの厳しい夏となっておりますので、十分にご自愛の上でお過ごし下さい。

先ずは、拙著発刊のご挨拶まで申し上げます。敬具

令和6年7月   野 口 次 郎